AI活用事例2026-08-02
米国の29歳の個人投資家Obioha Okereke氏が、Claudeを使って割安株やオプションを探すエージェントを自作した事例を紹介します。AIを「ツール」として活用し、人間が最終判断を下す流れがポイントです。
Obioha Okereke氏は、Claudeに「ヘッジファンドのアナリスト役」を与えて、割安な株式やオプションを探させています。彼は29歳の技術コンサルタントで、金融リテラシープラットフォームCollege Money Habitsの創業者です。
It was essentially just asking Claude to act as a hedge fund analyst to find undervalued stocks
(訳)基本的に、Claudeにヘッジファンドのアナリストとして割安株を探すよう依頼しただけです。
彼はAIの出力すべてを自分で確認してから取引を実行しています。
I will always stand by AI being a tool as opposed to a replacement.
(訳)私は常に、AIは置き換えではなくツールだと主張します。
このアプローチは、AIに任せきりにせず人間のレビューを挟む点が特徴です。
AIに具体的な役割を与えることで、漠然とした質問より深い分析を引き出せます。例えるなら、経験豊富なアナリストを24時間雇うようなイメージです。ただ、AIは人間の意図を完全に理解しないため、出力の解釈は自分でする必要があります。
日本市場でも同様に、有価証券報告書や決算短信を対象に分析を依頼すれば、初心者でも体系的に情報を整理できます。AIが数字を抜き出したり、リスクを指摘したりする作業を肩代わりしてくれます。
米国株の10-K報告書ではなく、日本の有価証券報告書や決算短信を使います。PERや売上成長率などの指標を指定すれば、AIは具体的な数値を比較してくれます。AIの一般的な強みとして、大量のテキストを素早く要約できる点が挙げられます。
ただし、AIの出力は過去データに基づくため、将来の株価を予測するものではありません。市場環境の変化は自分で判断する必要があります。
別の個人投資家Thomas Schlossmacher氏は、AIエージェントを試した結果、一貫して損失を出したと述べています。
I think if you're using it for an automated system or relying on an agent to do it for you, you probably want a professional.
(訳)自動化システムとして使ったり、エージェントに任せきりにしたりするなら、プロに相談した方がいいと思います。
AIに「ポートフォリオを積極的に成長させて」と指示しても、ボラティリティの許容範囲や損失許容度が曖昧だと、意図しない結果になる可能性があります。多くの企業がガードレールを設け、人間が最終承認する仕組みを導入しています。
Claude(claude.ai)を使って、日本株向けの分析エージェントを試す手順をまとめました。無料プランでも始められます。
1. claude.aiにアクセスし、新規チャットを開く。
2. 最初のメッセージで役割を明確に指示する(下記のプロンプト1をコピー)。
3. 分析したい企業の有価証券報告書PDFをアップロードし、具体的な質問を追加する。
4. 出力が出たら、自分で数字の正確性や最新性を確認する。
5. 気に入ったポイントがあれば、別の指標で深掘りする(プロンプト2・3を試す)。
そのままコピーして使えるプロンプト(日本株向け)
あなたはヘッジファンドのアナリストです。以下の有価証券報告書から、売上高の過去3年間の成長率を計算し、業界平均と比較してください。重要な数値と根拠のページ番号を明記し、割安かどうかの判断材料を3つ挙げてください。
あなたはヘッジファンドのアナリストです。添付の決算短信から、PERとPBRを抜き出し、過去5年間の推移を表でまとめてください。ROEが10%以上で、PERが15倍以下の銘柄の特徴を指摘してください。
あなたはヘッジファンドのアナリストです。添付の有価証券報告書のリスク要因セクションを読み、重要な順に5つ抜き出してください。各リスクについて、事業内容との関連を1文で説明し、投資判断への影響を簡潔に述べてください。
最初に試す題材の選び方
東証プライム上場で、IR資料が充実している企業(例:決算短信と有価証券報告書が公開されている会社)から始めましょう。PDFを1〜2社分用意すると出力が安定します。
うまくいかない時の対処
出力が一般論になった場合は、「具体的な数字を必ず記載」「ページ番号を添付」「業界平均との比較を必須」と指示を追加してください。プロンプトを1文ずつ具体化すると改善します。
AIを「ヘッジファンドアナリスト」として役割を与え、人間がレビューするワークフローは、日本でも今日から試せます。まずは有価証券報告書1社分を対象にプロンプトを回してみてください。
※本記事は情報提供・教育目的で作成しています。投資助言ではありません。特定のサービス・銘柄の利用や売買を推奨するものではなく、過去の成果は将来を保証するものではありません。
出典 CNBC "The future of Wall Street is here as startups and brokers build AI agents to trade 24/7" (2026-07-28) https://www.cnbc.com/2026/07/28/ai-agents-build-to-trade-24/7-the-future-of-wall-street.html